インドに生まれた宗教はいずれも輪廻転生を前提とし、多くは解脱の為の瞑想修行の伝統を持つ。仏教の座禅に相当するものは、ヒンズー教では、ヨーガである。
解脱はまた、民衆が好む神々への信愛を通じても可能だとされる。古代ヒンズー教はバラモン教とも呼ばれる。(紀元前1000年ごろ)
●バラモン教は多神教であり自然や様々なものの中に神々がいると信じる。その神々を祀るのがバラモン(司祭)である。又、神々への祈りの文をヴェーダという。
紀元前500年ごろ仏教が誕生する。教義はバラモンの権威から相対化して解脱修行を中心にする。後に大乗仏教が発生。仏教は都市部で流行した。 5世紀になると、農村にあった土着信仰が盛り返し、バラモン教はヒンズー教として復活する。ヒンズー教の基本にあるのは輪廻の思想である。
今生を全うするためには、
・ダルマ:社会規範
・アルタ:実利もしくは政治
・カーマ:性愛や優美さ。
の追求を行うこととしている。
四住期(理想的な人生)
・学生期:ヴェーダを学習する。
・家住期:結婚生活を営む。
・林棲期:世俗を離れて森林で暮らす。
・遊行期:一人で遊行する。
四姓(社会階層を持ちジャーティ(カースト)と呼ぶ。)
・司祭(バラモン)
・王族(クシャトリヤ)
・庶民(ヴァイシャ)
・隷民(シュードラ)
●ヒンズー教の最高神はヴィシュヌ神とシヴァ神に信仰の対象が分かれ、各々が最高神となっている。ヴィシュヌ神は温和と慈愛の側面が強調される男神である。 シヴァ神は二面性を持ち、破壊と死神、生殖と豊穣の神(破壊と創造)。激しい苦行の神である。この二神に宇宙の原理ブラフマンを神格化したブラフマー(梵天)を加えたものを三位一体(トリムールティ)という。 世界はブラフマーによって創造され、ヴィシュヌによって保持され、シヴァによって破壊される。
もともと、カースト制度は紀元前13世紀にアーリア人が征服した民、先住民のドラヴィタ人を支配するために作られた宗教です。 奴隷になったドラヴィタ人は生前の行いが悪いので奴隷であり、自分たちは善い行いをして、支配階級にいるとしています。俗にいう神に選ばれた人間とのことでしょう。
(奴隷を洗脳する常套手段です。)
●仏教は紀元前5世紀に発生し、インドや東アジアの宗教文化を取り込みながら多様な教理を発生した。覚者ブッタは伝統的な神々の祭祀(バラモン教)では苦を乗り越えられないとし、悟りを開くため瞑想修行を発展させた。
・初期仏教はスリランカや東南アジアに伝わったテーラワーダ仏教(上座部仏教:小乗仏教)として現在も続いている。後に出家者は、ブッダを神にしブッダにはなれないが、阿羅漢(アラカン)を目指すとする。
又、悟ることを解脱、悟った知恵を菩提、その境地を涅槃という。
・大乗仏教は様々な多神教の宗教を取り込み、瞑想修行+呪文+読経、等様々な実践法を編み出す。インドからチベットに伝わった大乗仏教は後に密教として日本に伝わる。
・日本仏教は6世紀に伝来した。学問仏教と並行して、民衆の教化や公共事業開発する求道者(行基様)もいた。平安時代には最澄様が天台宗として総合仏教大学を創設した。空海様は密教を定着させ、呪術的儀礼は流行した。
鎌倉時代には禅宗、浄土信仰、法華信仰が発生。たくさんある仏教教理から本質と思われる行法を選択したものであり、一般民衆の救いには分かりやすいものであった。一神教の世界では、神への信仰にすべてを帰着させるが、同様なことだったといえる。
江戸時代には、迷いの世界と悟りの世界との違いを絶対化しない大乗仏教の相対主義をさらに強化した。戒律は重視しない傾向にあった。又、檀家制度(江戸時代の戸籍管理)が発達し法事を中心とした葬式仏教に、この時代からなったことも否定できない。