本文へスキップ

よっしーの徒然時事ネタ

電力は国家の血液である
(エネルギーと国家基盤について)


日本は資源国家ではありません。
今も昔も、輸入した資源を加工し製品として輸出する、いわゆる加工貿易の国です。
この構造において重要になるのは、製造の基盤となるインフラです。

電力。
通信。
輸送。

この三つのコストが安ければ、日本の製品は安く作れます。そしてそれが国際競争力につながります。

しかし現実には、これらのインフラが必ずしも効率的に機能しているとは言い難い面もあります。とくに電力に問題があります。


●電力について

電力は発電、送電、配電から成り立ちますが、最終的には発電コストが大きく影響します。
日本は燃料を輸入する国であり、重油やLNGの価格は国際情勢に左右されます。
そのため電力価格はどうしても高くなりやすいのです。

原子力発電もウランが輸入資源です。
リスク管理も非常に大きく、課題を多く抱えています。
雇用面では莫大な規模があり、無視できない存在でもあります。
そこで一つの可能性として考えられるのが水素です。

再生可能エネルギーは自然環境に左右されるという弱点を持ちます。
しかし余剰電力を用いて水を電気分解し、水素として貯蔵することで、この弱点を補うことができます。

海に囲まれた日本では、海水から水素を生産するという発想もあります。

再生可能エネルギーで水素を生産し、それをLNGと混焼して発電する。
このような形であれば既存の発電設備も活用できます。

電力は社会の血液とも言える存在です。
通信は神経であり、輸送は筋肉に相当します。

そして近年では、HPCやAIの計算能力が社会の「脳」に相当する存在になりつつあります。

これからの社会では、電力、通信、輸送、そして計算力が国家基盤になるのかもしれません。

もし安価で安定した電力を確保できれば、産業の競争力は大きく変わります。
それは結果として、日本経済の強さにもつながるでしょう。


●送電について

日本には50Hzと60Hzの周波数の違いがあり、静岡付近の変換所を通じて東西の電力が融通されています。しかし電力の容量にはシステム的な制限があります。

西の電力が余っていても、東京に十分に送れないことがあります。

そこで、日本を横断する大容量の送電システムがあれば面白いのではないかと思います。
超電導送電などは未来的にも見えますが、実現できれば非常に興味深い技術です。

この送電網を国が管理し、各自治体や電力会社が国に売電する仕組みも考えられるかもしれません。


●地域電力

地域には大型の蓄電システムを構築し、各家庭の余剰電力を自治体に売電します。
自治体はそれに利益を乗せて国へ売電します。

地方の財源確保にもつながり、東京に集中した富を地方へ分散する仕組みにもなるかもしれません。

燃料費が安くなれば、現在の電力料金よりもかなり安価になる可能性もあります。

また地域の蓄電システムによって、発電設備を持たない家庭でも恩恵を受けることができます。

メッシュ型電力網があれば、過剰発電も地域の蓄電で吸収できるでしょう。


●EVについて

蓄電材料として、海水から水素を作る過程で生まれる塩を利用することも考えられます。
EVの電池を蓄電資源として活用する方法も面白いかもしれません。


●電力と産業

経済活動において、電力は血液、輸送は筋力、通信は神経、情報は脳とも言えます。

AIやHPCの電力需要も今後さらに増えていくでしょう。
将来的には量子コンピュータの実用化によって電力需要はさらに拡大する可能性があります。

計算機が電力を大量に消費する理由の一つは冷却です。
コンピュータは計算そのものよりも、発生する熱を処理する冷却に大きなコストがかかります。

原子力政策の一部を火力に置き換えることで雇用を守るという考え方もあります。
原発関連の雇用規模は非常に大きく、経済効果も無視できません。

LNGと水素の混焼が進めば、燃料コストの削減も期待できます。

車の価格もEVでは電池コストに大きく左右されます。
ナトリウムイオン全固体電池の実用化も期待されるところです。

将来的には水素を輸出できれば面白い展開になります。
水素運搬タンカーが必要になれば、造船業の復活にもつながるかもしれません。

そうなれば、日本はエネルギー輸入国からエネルギー輸出国へと変わる可能性もあります。


●食料とエネルギー

食料自給率の問題もエネルギー価格と無関係ではありません。

エネルギー価格が下がれば農業コストも下がり、利益が確保できるようになります。
その結果として生産が増え、徐々に自給率が高まる可能性があります。

デフレによって無理に価格を下げるのではなく、十分な利益が生まれた上で効率化によって価格が下がる形が望ましいのかもしれません。

日本は輸入大国ですが、国産と輸入をバランスよく利用することができる社会が理想なのではないでしょうか。


●最後に

経済政策では為替操作の議論がよく行われる。
しかしそれは一時的な処置に過ぎないのかもしれない。カンフル剤を使ったショック療法と言える。

しかし根本的解決には至らない。
むしろ電力や通信、輸送といった基盤、つまり経済の血液の循環を良くする方が、
長期的には健康的になるのではないだろうか。